アメリカ国内での医薬品の流通に関する情報の提供を、卸売業者、調剤者、および再包装業者に義務化する法律が発効(08.2023)

著者:古澤 久仁彦 要旨 DSCSA の制定以来、FDA と取引先(製造業者、卸売業者、調剤業者、再包装業者)は、FD&C 法第 582 条(g)(1) によって課せられる強化された医薬品流通セキュリティ要件の導入に向けた準備を進めてきました。取引先は、これらの要件の発効日である 2023 年 11 月 27 日を見据えて、医薬品の取引ごとに医薬品追跡情報を電子的に交換するために必要なシステムとプロセスの導入が要求されています。 要求事項は下記の5項に要約されています。 (1)取引に含まれる各包装の包装レベルの製品識別子を含む取引情報を交換し、取引明細書を交 換するために、安全で相互運用可能な電子的アプローチを使用すること; (2) 医薬品をパッケージレベルで検証するためのシステムとプロセスを整備すること。 (3) リコールの場合、または疑わしい医薬品や違法医薬品の調査のために、長官またはその他の適切な連邦または州当局からの要請に応じて、医薬品の取引情報および取引明細書を迅速に提供するためのシステムとプロセスを整備すること。 (4) リコールのため、又は疑義製品若しくは違法製品の調査のために、長官又は他の適切な連邦 又は州当局から要請があった場合、又は疑義製品の調査のため、又はそのような政府の要請 を支援するために、権限を与えられた取引先から要請があった場合(商業上の機密情報及び企業 秘密を保護する安全な方法で)、該当する場合、製造者に遡って製品の取引情報を作成するた めに必要な情報の収集を容易にするためのシステム及びプロセスを有すること。 (5) 適切な条件下で販売可能な返品を受け入れるためのシステムとプロセスを整備すること。つまり、販売可能な返品医薬品を、その医薬品に関連付けられた取引情報および取引明細書に関連付けることができること。   下記にFDAの公開内容の私訳を掲載する; FDAの公開内容 原文書:https://www.fda.gov/media/171592/download 注)当資料日本語訳はご参考用に提供しております。日本語訳の正確性に関して注意を払っておりますが、それらについて責任を負うものではございません。 正確な記述に関しては原文書をご参照ください。  

インドと中国のGMP査察が不十分でFDAを批判(26.07.2023)

著者:古澤 久仁彦 2023年7月18日、下院エネルギー・商業委員会のキャシー・マクモリス・ロジャース委員長(共和党、ワシントン州)、保健小委員会のブレット・ガスリー委員長(共和党、ケンタッキー州)、監視調査小委員会のモーガン・グリフィス委員長(共和党、バージニア州)は、保健・監視小委員会の共和党議員を代表して食品医薬品局(FDA)のロバート・カリフ長官に書簡を送付した。 書簡では、FDAがインドと中国で実施している外国医薬品査察が不十分であることについて疑問を提起している。 その内容は、FDAの海外査察実績が、全世界の製造所を網羅しているか、査察にて米国内で流通している医薬品の有効性、安全性を、FDA が十分に保証できるかの疑問に関して、FDAに明らかにすることを求める書簡であり、特に、インド、中国にある製造所をターゲットとしている。さらに、海外での無通告査察の中止した理由の弁明、今後中国の国家機密法下で、FDAの査察が有効に行えるかの回答をFDAに求めている。更に、この査察の問題と、米国内での欠品問題と海外製造所の製造中止による影響評価をFDA が十分に行っているかを、委員会は懸念している。 下記に委員会のFDA宛の書簡の私訳を掲載する; FDA宛の書簡 原文書:https://d1dth6e84htgma.cloudfront.net/Letter_to_FDA_on_Foriegn_Drug_Inspections_dc7bf60a6d.pdf 注)当資料日本語訳はご参考用に提供しております。日本語訳の正確性に関して注意を払っておりますが、それらについて責任を負うものではございません。 正確な記述に関しては原文書をご参照ください。