著者:古澤 久仁彦

FDA は、2024 年 3 月 12 日に、初期アルツハイマー型認知症 (AD) の治療法の開発に関するガイドラインドラフトを発表しました。

このガイドラインの目的は、認知症が顕在化する初期のADを治療するための薬剤開発の臨床段階にあるスポンサーを支援することです。

FDAはガイドラインでこれらの段階を「初期AD」と呼んでいますが、この病気は「連続体」で起こり、ADの最終段階(すなわち後期ステージ3)の患者に対して、このガイドラインが初期段階のAD患者であることを強調しています。 (つまり、ステージ 4)臨床症状に大きな違いはない可能性があります。

FDAは、このガイドラインによって、必要に応じて、CDERの神経科学部門、CBERの治療製品部門、スポンサー、科学界、および一般の間で議論が生まれることを期待している。 このガイドラインドラフトは 2018 年 2 月のガイドラインの改訂版であり、2024 年 6 月 10 日までコメントを受け付けています。

ガイドラインによると、かつてはAD治療の臨床試験への登録は、ADの後期段階を定義する臨床基準に基づいていました。 このため、FDAのガイドラインによれば、研究対象者は「臨床的に明らかなADに典型的な認知変化と、明白な認知症に伴う機能障害の程度の両方を示した」と述べ、 したがって、承認された治療法はその状況に基づいたものでした。
FDAはガイドラインの中で、根底にあるADの病態生理学的変化を反映するバイオマーカーを使用し、早期ADの被験者を対象とする取り組みが行われてきたと述べています。 「ADはゆっくりと進行し、臨床的に明らかな所見が現れるよりもかなり前に特徴的な病態生理学的変化が発現することを考慮すると、ADの疾患過程のごく初期に介入する機会がある可能性があるため、これらの取り組みは特に重要である。」とガイドラインでは述べられています。ADの初期の臨床欠損につながる病態生理学的プロセスを遅らせる、あるいはできれば停止または治療させることが、発症前またはごく初期の症状介入の最終目標であり、この目標に向けた治療は、明らかな臨床症状が現れる前に開始しなければなりません。 この機会には、病気の初期段階での治療効果を評価する方法を理解する必要性が伴います。

このガイドラインでは、疾患段階のエンドポイントの選択と臨床試験への登録のための、ADの診断基準と臨床病期分類について詳しく説明しています。 このガイドラインは、明白な認知症または常染色体優性型のいずれかのADを発症したAD患者に焦点を当てて設計された臨床試験については取り上げていません。 また、他の形態の認知症の治療にも適用されません。

Statement: FDA issues guidance regarding drug development for early Alzheimer’s disease

【原文】 Early Alzheimer’s Disease: Developing Drugs for Treatment

【日本語訳】初期アルツハイマー型認知症 (AD) の治療法の開発に関するガイドラインドラフト

注)資料の日本語訳はご参考用に提供しております。日本語訳の正確性に関して注意を払っておりますが、それらについて責任を負うものではございません。 正確な記述に関しては原文書をご参照ください。